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  ルックスも大事な性能だと思います

塗装?リフィニッシュ?

塗装

塗装というのはギターにとって化粧の役目 だけではなく、木部を汗や紫外線から保護し、また手触り等を左右して演奏製にも影響している重要な要素です。
しかし、必ずしもこうでなくてはいけないという条件が厳しい物でもなく、ギターの世界では実に様々な塗装が用いられています。

塗装の仕上がりによってギターのたたずまいは大きく事なります。
ギターは道具だからルックスは関係ない?
そんな事は無いと思います。
カッコいい、気に入ったルックスのギターを手にしているときは気分が違うと思います
ルックスも、プレイヤーのモチベーションを左右する重要な性能の一つです。

ギター初心者がギターを買うのに迷っていて、アドバイスをするとしたら「気に入ったルックスの物を選ぶ」というのがとても重要だと思います。
または、長年のプレイによって塗装が剥げてボロボロになったギターも独特の美しいたたずまいを醸している事が多く、愛好家 を引きつける大きな魅力ともなっています。

そんな中、何らかの理由で塗装をやり直す必要が生じる事も多いと思います。
ギター全体の塗り直し(リフィニッシュ)からネックだけとか、塗装指板のフレット交換と絡めた指板面塗装、あるいはネック折れ等の修理後に傷口をフォロー するための部分塗装等。


>>塗装工賃目安表(PDF)

リフィニッシュの時の剥がし作業って必要?

基本的には必要です。
むやみに厚い塗装は望ましく有りませんし、旧塗装膜の表面には様々な異物(ポリッシュの類いや汚れ)が残っている可能性が高く、塗膜の密着不良やムラの原 因にもなります。
少なくとも一定レベルでの研磨が必要であると言えます。
また、ご自身で剥がされたボディを持ち込まれる場合も注意が必要です。
木地のコンディションによっては割高な木地調整工賃が必要になったり、作業をお引き受けできない事もございます。

*ネックのリフィニッシュについて

特にヘッドのリフィニッシュを行う時に問題となるのはロゴです。
可能なケースではなるべく保全する形で塗装させていただきますが、やはり状況によってはロゴを失う事になります。
そういった事も事前にご相談させていただきます。
また、当方ではブランド詐称防止の観点からメーカーの判別が十分でないギターに対し、実在メーカーのロゴデカールを貼る,
例えば、最初からロゴの無いネックに対し “Fender"のデカールを貼ると言った事はお受けしておりません。
これはお客様に悪意が無く、転売等の行為に繋がらなかったとしてもやはり作業者には一定の責任が存在すると考えるためです。
なにとぞご理解いただきますようお願い申し上げます。
また何らかのロゴが必要な場合、当方では基本的にロゴ等は用意しておりませんので、必要な場合はお客様のほうでご用意していただく事になります。
例えば自分のバンド名のロゴをステッカーにしてヘッドの塗装の下に貼るといった事も可能ですのでご相談ください。

ラッカー?ウレタン?ポリエステル?

現在市販されているギターに使われている塗料は
ニトロセルロースラッカー系
ポリウレタン系
ポリエステル系
の3種類が最もポピュラーなのではないでしょうか?
加えてごく一部にはオイルフィニッシュと呼ばれる仕上げが施されています。
当然それぞれには違いがあります。

当工房ではラッカー塗装・ポリウレタン塗装・オイルフィニッシュ塗装の3種類に対応しています。
それぞれの特徴はおおむね下記のようになっています。
ラッカー
長所
・特有の自然な艶と風合いが他の塗料では出せない
・極めて薄い塗膜を作る事が出来るため、木の手触りや、風合いを自然に残す事が出来る。
・経年変化後の風合いも特有の自然な感じがある
短所
・経年による特有のひび割れや、黄変等の変色を起こしやすい。(最初か らやや黄ばんでいる)
・紫外線や湿気によって変質してしまう事が有る。
・有機溶剤やゴム製品等に使われている成分に影響を受けて軟化してしまう事が有る。
ポリウレタン
長所
・高い透明度と研磨後の艶が美しい。薄く仕上げる事により、風合いの表 現性にも優れる。
・硬化後には高い耐候・耐溶剤性等をもち、ラッカーよりも長期のメンテナンス性・耐久性に優れる
・程よい柔軟性と硬度をもち、木部の鳴りを殺さない仕上げが可能
短所
・ラッカーよりは簡単に塗膜が厚くなってしまうため、吹き付けに技術が 必要。
・タッチアップ補修等の際、旧塗料面との馴染みが悪く、剥離等のトラブルを起こしやすい。
・ラッカー塗装の上に重ねて吹く事は基本的には出来ない。
オイルフィニッシュ
長所
・木の質感そのままに近いさらさらとした手触り、質感が得られ、独特の たたずまいになる。
・塗膜と呼べるような物を形成しないため、木の鳴りそのものが楽しめる。 
短所
・耐水性等に乏しく、汗等を放置するとシミになったり木部に悪い影響を 与える事がある。 
・どうしても弾いているうちに汚れてくる。
・カラーリングを選べない。(基本的に木の濡れ色または茶色っぽい仕上がり)

ウレタン塗料と聞いて「ポリ系」と一括りにされる方もいらっしゃいますが…
ポリウレタンとポリエステルは性質にかなり違いが有り過ぎます。
エステルは比較的厚い塗膜をもっている事と高い硬度を持っていますがウレタンはそれと比べてかなり薄く、適度な硬度と柔軟性を持っています。
そのためポリウレタン塗料はギター塗装にかなり向いていると思います。
一般論ではラッカーが最も優れたギター塗料であると言う風潮も有るようですが、
使い方次第でウレタンはラッカーの欠点を補った優れた塗料であると考えています。
ラッカーの風合いが好きならラッカーを選ぶしか無いのですが…

*ポリエステル塗料については当工房では扱っておりません。
(大量生産向きの塗料であるため、導入におけるメリットがほとんど見込まれないため)
*オイルフィニッシュに使われる「オイル」とは基本的にレモンオイル等とは根本的に違う物です。乾燥とともに酸化重合作用によりごく薄い皮膜を作る成分の 物で、単に油分をしみ込ませているのとは異なります。  
 

塗装こぼれ話

「自分で塗装」

インターネット上でも自分でいろいろとやっている人はたくさんいらっしゃいます。
自分の好きな色に自分で塗ったギターなら愛着もひとしおでしょう。
どんなレベルでの仕上がりを目指すのかによってこ難易度は違いますが、それこそプラモデル感覚で塗る人もいますし、家具のDIYのような感じで行う人もい た りで面白いと思います。それこそ自分が気に入ればこれ以上の成果は有りません。
塗装は細かい技術も大事ですが、最後には手間と根気と忍耐がモノを言うようなところもあったり…

そんな中で自家塗装で一番気をつける事は何かと聞かれたら、私は「下地(木地)の磨き」と答えます。
下地(木地)の仕上がりは塗装の仕上がりに重大な違いをもたらします。
「どうせ色は塗りつぶすしサンディングシーラーとか吹いて整えるから一緒でしょ」と思うかもしれませんが私はとてもそうは言えません。

やはり塗料に対して適切な下処理があって初めて十分な仕上がりの塗装が出来ると思います。
これは、サンドペーパーの傷等の問題だけではなく、木地の形そのものの問題でも有ります。

木地の調整とは、サンドペーパーをこすりつけて木部をツルツルにする事ではないのです。
波打った木地からは波打った塗装面しか出来ません。
木地の不備は塗装面に必ず反映されると思っても良いです。
キチンと木地を調整されたボディなら、仮に缶スプレーで最低限吹いただけの塗装でも十分に美しく仕上げる事が出来ると思います。
逆に木地調整が半端だと塗装工程でどれほどがんばっても知れています。
鏡面仕上げにするつもりならなおの事です。「どうせ缶スプレーだし」と言うならなおの事です。
また、木地の出来具合は塗膜の研磨工程でも研磨ハゲ等のリスクを大きく下げます。
どう考えても、塗装工程で頑張るぐらいなら木地の段階でがんばった方が結果に結びつきやすく、効率的です。

「あとの工程で何とかなるだろ」という考えは仕上がりのレベルを下げる方向にしか働きません。

一番設備も不要なのは…オイルフィニッシュですが…やはり同様です

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