electronics
エレクトリックギターの心肺
電装系のリペア・カスタマイズ
ギターには電気回路があります
エレクトリックギターは弦の振動を電気信号に変え、その信号を送り込まれたアンプによって信号を増幅し、音を出します。
- 弦振動を電気信号に変えるピックアップ
- 信号を伝える配線材
- 音量や音色を整えるボリュームやトーン
- 機能を切り替えるためのスイッチ
- 信号の出口としてのジャック
- などなど
色んなパーツが集まって一つの 回路 (サーキット)を構成しています。
パーツのどれもが重要な仕事を全うしてこそギターは音を出せます。
これら電装パーツの不調は、ギターの音の不調そのものです。
電装系不調の修理
不調になったものを修理するという場合、必要なのは原因となる故障箇所の判別です。
これは非常に簡単な事もあれば、非常に困難である事もあります。
酷使されたギターであれば特にジャックやボリュームなどのパーツは繰り返し動作させる事で少しずつ消耗しているでしょう。
たとえ使っていないギターのでも電装パーツは時間の経過とともにサビやホコリなどで正常な機能を損なってしまう事もあります。
もし修理をご依頼頂く場合は、単純に問題となっている症状だけお伝えいただければ結構です。
こちらで原因を診断して、相応しい処置をご案内させていただきます。
ボリュームポットやジャック、スイッチ類などは常時在庫している物もございますので、場合によっては即日修理してお返しすることが可能です。
- 音が出ない
- 音が途切れる
- ノイズが多い
- 音が小さい(あるいはスカスカ)
まずは一度ご相談ください。
電装系( 回路 )のカスタマイズ
アンプから出る音色がエレクトリックギターの音色そのものであるとすれば、その 回路 の違いは音色の違いに直結します。
回路 をカスタマイズすることで劇的に音色を変えることができるのもエレクトリックギターの面白い点です。
- ピックアップの交換は決定的にサウンドを変えられます。
- ボリュームやトーンの可変抵抗を変えることで、使い勝手やサウンドそのものも変わります。
- スイッチを含めてサーキット自体を改変すれば、異なったサウンドバリエーションが得られます。
*ピックアップ交換や電装系パーツの変更にあたり、場合によってはボディ自体を加工する必要やピックガードを加工する必要があるケースがあります。
こちらも参照
電装系カスタマイズの考え方
正直、エレクトリックギターは実に多くの事が可能です。
特にピックアップの組み合わせとスイッチを使った音のバリエーションなどはサウンドを大きく変える事が可能です。
しかしカスタマイズのアイデアを膨らます際にご注意いただきたいのは、「自分に必要な機能は何か」をよく考える事であるように思います。
「どんな音も出せる万能ギターを目指す」というのも面白いですが、うっかりするとどの機能も中途半端で「どんな音もパッとしないギター」が出来上がってしまう事があります。
私はつくづく万能と無能は紙一重であると思います。
ピックアップの修理
当工房では一部ピックアップの修理・改修も行なっております。
音が出ない、音がおかしい等々
また、ピックアップを交換したいけどピックアップのリード線が短いなどの場合もリード線の交換や延長作業もやっております。*一部ピックアップはリード線の交換はできない仕様のものがございます。
どんなピックアップでも直せるとは言えませんが…諦める前に一度ご相談ください。(一部のピックアップは、完全に樹脂で固めてあるなど、当工房では全く手も足も出ません…)
実際にお預かりできましたらどんな処置が可能であるかをご相談させていただきます。
ただし、ピックアップはある程度分解作業を行ってみないと問題の部位が不明である事も多く
ピックアップのみでお預かりの場合、返送送料は¥500です。
tips:ピックアップを損傷させないための注意
ピックアップ、特にシングルコイルの多くはコイルワイアー自体が露出しているデザインとなっていることが多いと言えます。
この露出しているコイルワイアーは直径わずか0.06mm前後と人間の髪の毛かそれより細い程度で、この細いたった一本のワイアーが大体8000回以上巻いてあります。
シングルコイルのギターの多くは巻きはじめと巻き終わりの部分が、例えカバーをした状態であっても露出しており、手で触れられる状態になっています。
このワイアーは切れてしまうと、ピックアップは機能を失います。
ギターに取り付けられている状態では基本的にはピックガードの下にあるので見えないのですが、ピックアップ交換などの際には全く保護されていない状態となります。
ピックアップの故障の多くの例として、ピックアップを取り扱っている間にこの露出部分のワイアーを切ってしまう例が多数あります。スプリングなどを引っ掛けてしまったりという例もあります。
まき終わり(画像の青丸の部分)が切れた場合はまだ良い方です。
この場合はコイルをそっと1周分程度解いて、再び端子(リード線が繋がっている部分)に通して再結線すれば良い事になります。(それでもコイルワイアーはロウなどで固定されているケースが普通ですのでそのままワイアーを解くこと自体が工夫と注意を要します)
問題は画像の赤丸部分の巻きはじめ側を切ってしまった時です。
この場合、コイルを解くことは出来ません。コイルの一番内側につながっているためです。
運よく多少の遊びがある場合は残っている部分にワイアーを継ぎ足し、再結線する事が出来る場合もありますが、通常はそんな状況でない事が多いため、ピックアップの再起にはコイル全体を巻き直すはめになります。
あるいはピックアップを買い直した方が早い…という事さえ考えられます。
通常は心配する必要はありませんがそもそも損傷を避ける事自体はそれほど難しくないと思います。くれぐれもコイルワイアーはデリケートであることをお忘れなく願います。
電装系についてよくあるご質問
A:当工房ではハンダはケスターの44を好んで使っています。
ハンダもお持ち込みいただければそちらを使っての配線作業を行わせていただきます。
A:ギターの内部に使う分には許容耐圧は600Vでも50Vでも問題はありません。
ギター内部で生じる電圧は精々が瞬間的に1V前後ですので耐圧の問題が関わることは無いはずです。
実際、古くからギターに使われているコンデンサーの耐圧は実にまちまちです。
一方でアンプなど高電圧の機器においては耐圧はきちんと許容範囲に余裕を持って収まるように配置しないと危険であるため厳守です。
A:具体的に欲しい機能をご相談いただければ可能かどうか検討させていただきます。
一般的によくある回路の導入、あるいは具体的な回路図(あるいは実体配線図でも可)のご提示がある場合はそのように再配線させていただく事が出来ます。
回路図のご提示がない場合は当方で回路や配線方法を設計させていただく形になり、別途費用が必要となりますのでご注意ください。
A:お持ち込み自体は特に問題ございません。
当方に通常在庫のない品物についても、一般的なものであればお取り寄せ可能ですのでご相談ください。
A:OKです。
同様のご相談は結構あります。
ただし、その旨あらかじめ当方にお伝えください。でないといきなり心当たりのない品物が入荷することになり、混乱を招きます。
ネットショッピングの場合、発送先住所だけ当方宛にして頂き、ご注文者様のお名前はそのままにして頂ければ誰からのお預かりであるかが分かりやすいです。
A:当工房のスタンスとして、ヴィンテージの配線材あるいはヴィンテージのコンデンサは積極的には取り扱っておりません。
また、在庫自体もしておりませんので悪しからずご了承ください。
一方で、お手持ちのものをお持ち込みいただければ対応させていただきます。
A:申し訳ございません。現在のところ当工房ではアンプやエフェクターに関しの修理や改造などは対応させていただかないものと決めさせていただいております。
折角ご相談いただきましたところ申し訳ございません。
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