Finish

ルックスも大事な性能だと思います

塗装? リフィニッシュ ?

塗装の役割

塗装というのはギターにとって化粧の役目 だけではなく、木部を汗や紫外線から保護し、また手触り等を左右して演奏製にも影響している重要な要素です。
しかし、必ずしもこうでなくてはいけないという条件が厳しい物でもなく、ギターの世界では実に様々な塗装が用いられています。

塗装の仕上がりによってギターのたたずまいは大きく事なります。
ギターは道具だからルックスは関係ない?
そんな事は無いと思います。
カッコいい、気に入ったルックスのギターを手にしているときは気分が違うと思います
当工房は「ギターのルックスも、プレイヤーのモチベーションを左右する重要な性能の一つだ。」と断言します。

ギター初心者がギターを買うのに迷っていて、アドバイスをするとしたら「少なくとも気に入ったルックスの物を選ぶ」というのがとても重要だと思います。いくら友人や楽器店の方に「良いギターだ」と勧められたとしても、もしも自分自身がそのギターを格好よくないと思たのであれば、そのギターを買うのは馬鹿げています。(もちろん、良いギターであると言うアドバイスは十分有意義ですのでアドバイスをくれた方の好意は尊重しましょう)

または、長年のプレイによって塗装が剥げてボロボロになったギターも独特の美しいたたずまいを醸している事が多く、愛好家 を引きつける大きな魅力ともなっています

塗装のリペア

何らかの理由で塗装をやり直す必要が生じる事も多いと思います。

当工房では

  • ギター全体の塗り直し( リフィニッシュ )
  • ボディだけリフィニッシュ(主にボルトオンギター)
  • ネックだけ再塗装
  • 塗装指板のフレット交換と絡めた指板面塗装
  • あるいはネック折れ等の修理後に傷口をフォロー するための部分塗装

などが可能です。

リフィニッシュについて

工賃

当工房では塗装工賃の中にパーツ類の現状復帰などの作業が含まれます。

他に必要になるのは

  • 古い塗装を剥がす剥がし工賃
  • カラーリングによって加算されるカラーリング工賃
  • フィラー(目止め)処理が必要な場合に加算されるフィラー処理工賃
  • その他バインディングの有無などによる各種処理

などが挙げられます。

当工房で使われる塗料

現在市販されているギターに使われている塗料は
ニトロセルロースラッカー系
ポリウレタン系
ポリエステル系
の3種類が最もポピュラーなのではないでしょうか?
加えてごく一部にはオイルフィニッシュと呼ばれる仕上げが施されています。
当然それぞれには違いがあります。

当工房ではラッカー塗装・ポリウレタン塗装・オイルフィニッシュ塗装の3種類に対応しています
それぞれの特徴はおおむね下記のようになっています。

ラッカー 長所 特有の自然な艶と風合いが他の塗料では出せない
・極めて薄い塗膜を作る事が出来るため、木の手触りや、風合いを自然に残す事が出来る。
・経年変化後の風合いも特有の自然な感じがある
短所 ・経年による特有のひび割れや、黄変等の変色を起こしやすい。(最初か らやや黄ばんでいる)
・紫外線や湿気によって変質してしまう事が有る。・暑い時期・湿気の多い時期に表面が軟化してベトついてしまう事がある。(指紋がついたままになったりする)
・有機溶剤や合成ゴム製品等に使われている成分に影響を受けて軟化してしまう事が有る。
ポリウレタン 長所 高い透明度と研磨後の艶が美しい。薄く仕上げる事により、風合いの表 現性にも優れる。
・硬化後には高い耐候・耐溶剤性等をもち、ラッカーよりも長期のメンテナンス性・耐久性に優れる
・程よい柔軟性と硬度
短所 ・ラッカーよりは簡単に塗膜が厚くなってしまうため、吹き付けに注意が必要。
・タッチアップ補修等の際、旧塗料面との馴染みが悪く、剥離等のトラブルを起こしやすい。(塗装補修がしにくい)
ラッカー塗装の上に重ねて吹く事は基本的にNG。(望ましくない)
オイルフィニッシュ 長所 木の質感そのままに近いさらさらとした手触り、質感が得られ、独特の たたずまいになる
・塗膜と呼べるような物を形成しないため、木の鳴りそのものが楽しめる。
短所 ・耐水性等に乏しく、汗等を放置するとシミになったり木部に悪い影響を 与える事がある。
どうしても弾いているうちに汚れてくる。(メイプル材などは早々に黒ずみます)
・基本的にカラーリングを選べない。(基本的に木の濡れ色または茶色っぽい仕上がり)

ウレタン塗料と聞いて「ポリ系」と一括りにされる事がありますが…
ポリウレタンとポリエステルは性質に違いが有り過ぎます。
エステルは比較的厚い塗膜をもっている事と高い硬度を持っていますがウレタンはそれと比べてかなり薄く、適度な硬度と柔軟性を持っています。
そのためポリウレタン塗料はギター塗装にかなり向いていると思います。

一般論ではラッカーが最も優れたギター塗料であると言う風潮も有るようですが、
ウレタンはラッカーとは違った意味で優れた塗料であると考えています。

ただし、どちらが優れているとも決めにくいです。

ラッカーギターの方が高価になりがちなのはラッカーは吹き付ける回数がウレタンよりも多く必要で、、単純に乾燥の時間も多く必要であることから、管理と手間のコストがかさむと言う事です。

(技術的には私はラッカーの方がイージーであると思っていますが、やはり手間は取られます)

色の面でもラッカーとウレタンはやや事情が異なります。
ラッカー塗装で真っ白を表現するのは困難です。これはクリアコートがそもそも黄色ぽいので、どうしても薄く黄色っぽい方向に仕上がってしまうためです。
その点、ポリウレタンはクリアコートの透明度はより高いのでもっとクリアな白が表現できます。

真っ黒などもポリウレタンの方がシャープな黒に仕上がります。

タッチアップについて

想定される問題

部分塗装では少々ややこしい問題が付きまといます。

例えば新旧塗料の段差または新旧塗料同士の密着・相性です。

特にポリエステルやポリウレタンの塗膜は”欠け”などが生じると補修が簡単にいかないことも多いので、状況を見せていただいたときにどのよう処置が可能であるかは問題点も含めてご相談させていただきます。

タッチアップは仕上がりのことを考えた時全体をリフィニッシュした方が合理的という例もありますので、よくご相談させていただきたいところです。

 

塗装作業を考えている方へ

リフィニッシュの時の剥がし工程って必要?

基本的には必要です。

本来的には全部剥がすのが望ましいと考えています。
むやみに厚い塗装は望ましく有りませんし、旧塗装膜の表面には様々な異物(ポリッシュの類いや汚れ)が残っている可能性が高く、塗膜の密着不良やムラの原 因にもなります。
それらの問題を回避するために、少なくとも一定レベルでの研磨が必要であると言えます。

特につや消し塗料で仕上げられている葉面は上からの塗料の密着が著しく悪い事が想定されるため、少なくともその層はしっかりと落とす必要があると考えています。

また、ご自身で剥がされたボディを持ち込まれる場合も注意が必要です。
木地のコンディションによっては割高な木地調整工賃が必要になったり、作業をお引き受けできない事もございますのでご注意ください。

ネックのリフィニッシュの時、ロゴはどうなりますか?

特にヘッドのリフィニッシュを行う時に問題となるのはロゴです。
可能なケースではなるべく保全する形で塗装させていただきますが、やはり状況によってはロゴを失う事になります。
そういった事も事前にご相談させていただきます。

また、当方ではブランド詐称防止の観点からメーカーの判別が十分でないギターに対し、実在メーカーのロゴデカールを貼る,
例えば、“最初からロゴの無いネックに対し fenderのロゴデカールを貼る”とか言った事はお受けしておりません。
これはお客様に悪意が無く、転売等の行為に繋がらなかったとしてもやはり作業者には一定の責任が存在すると考えるためです。
なにとぞご理解いただきますようお願い申し上げます。

また何らかのロゴが必要な場合、当方では基本的にロゴ等は用意しておりませんので、必要な場合はお客様のほうでご用意していただく事になります。
塗装工程におけるデカールの貼付は工賃¥3,000が加算されます。(適正なものに限る)

ラッカー?ウレタン?ポリエステル?

現在市販されているギターに使われている塗料は
ニトロセルロースラッカー系
ポリウレタン系
ポリエステル系
の3種類が最もポピュラーなのではないでしょうか?
加えてごく一部にはオイルフィニッシュと呼ばれる仕上げが施されています。
当然それぞれには違いがあります。

当工房ではラッカー塗装・ポリウレタン塗装・オイルフィニッシュ塗装の3種類に対応しています
それぞれの特徴はおおむね下記のようになっています。

ラッカー 長所 特有の自然な艶と風合いが他の塗料では出せない
・極めて薄い塗膜を作る事が出来るため、木の手触りや、風合いを自然に残す事が出来る。
・経年変化後の風合いも特有の自然な感じがある
短所 ・経年による特有のひび割れや、黄変等の変色を起こしやすい。(最初か らやや黄ばんでいる)
・紫外線や湿気によって変質してしまう事が有る。

・暑い時期・湿気の多い時期に表面が軟化してベトついてしまう事がある。(指紋がついたままになったりする)
・有機溶剤やゴム製品等に使われている成分に影響を受けて軟化してしまう事が有る。

ポリウレタン 長所 高い透明度と研磨後の艶が美しい。薄く仕上げる事により、風合いの表 現性にも優れる。
・硬化後には高い耐候・耐溶剤性等をもち、ラッカーよりも長期のメンテナンス性・耐久性に優れる
・程よい柔軟性と硬度をもち、木部の鳴りを殺さない仕上げが可能
短所 ・ラッカーよりは簡単に塗膜が厚くなってしまうため、吹き付けに注意が必要。
・タッチアップ補修等の際、旧塗料面との馴染みが悪く、剥離等のトラブルを起こしやすい。(塗装補修がしにくい)
ラッカー塗装の上に重ねて吹く事は基本的に出来ない。(望ましくない)
オイルフィニッシュ 長所 木の質感そのままに近いさらさらとした手触り、質感が得られ、独特の たたずまいになる
・塗膜と呼べるような物を形成しないため、木の鳴りそのものが楽しめる。
短所 ・耐水性等に乏しく、汗等を放置するとシミになったり木部に悪い影響を 与える事がある。
どうしても弾いているうちに汚れてくる。(メイプル材などは早々に黒ずみます)
・カラーリングを選べない。(基本的に木の濡れ色または茶色っぽい仕上がり)

ウレタン塗料と聞いて「ポリ系」と一括りにされる方もいらっしゃいますが…
ポリウレタンとポリエステルは性質にかなり違いが有り過ぎます。
エステルは比較的厚い塗膜をもっている事と高い硬度を持っていますがウレタンはそれと比べてかなり薄く、適度な硬度と柔軟性を持っています。
そのためポリウレタン塗料はギター塗装にかなり向いていると思います。
一般論ではラッカーが最も優れたギター塗料であると言う風潮も有るようですが、
ウレタンはラッカーの欠点を補った優れた塗料であると考えています。

ただし、ウレタンはラッカーの上位互換では無いとも思います。

ラッカーギターの方が高価になりがちなのはラッカーは吹き付ける回数がウレタンよりも多く必要で、、単純に感想の時間も多く必要であることから、コストがかさむと言う事です。

(技術的には私はラッカーの方がイージーであると思っていますが、やはり手間は取られます)

どうあれ、ラッカーの風合いが好きならラッカーを選ぶのが良いです。

塗装を依頼する時、パーツ外して行った方が安くなりますか?

申し訳ありませんが安くはなりません。

当方としてはパーツ類はついたままのほうが都合が良いと考えています。

ギターの塗装はパーツの組み込みを抜きにして仕上がりを評価できません。
パーツ類の適正な設置ができて初めてきちんとした塗装が出来たことになると思います。
当工房では塗装後のパーツ類の現状復帰組までを工賃に含めております。
その組み上げ精度を担保するために、基本的にパーツ類も全てお預かりしております。

また、それらを取り外す工程もギターの問題を発見する重要な作業の一つです。
これらのパーツが予め外してあるとその確認の手間が余計にかかるので、工賃は安く出来ません。

無塗装のボディやネックを持ち込んで塗装をお願いできますか

はい出来ます。ただし、その場合でもやはり組み込む予定のパーツ類は必須とは言わないまでも揃っている事が望ましいです。

どのような状態の素材であるかにもよりますが、半加工の状態ですと、塗装工賃以外に仕上げの加工工賃が必要になるケースも稀にございます。

自分でも塗装できますか?

インターネット上でも自分でいろいろとやっている人はたくさんいらっしゃいます。
自分の好きな色に自分で塗ったギターなら愛着もひとしおでしょう。
どんなレベルでの仕上がりを目指すのかによってこ難易度は違いますが、それこそプラモデル感覚で塗る人もいますし、家具のDIYのような感じで行う人もい た りで面白いと思います。それこそ自分が気に入ればこれ以上の成果は有りません。

市販のFenderと同じクオリティやPRSと同じクリティを求めるならそれなりの設備とノウハウを用意する必要がありますが・・・

塗装は細かい技術も大事ですが、最後には手間と根気と忍耐がモノを言うようなところもあったりします…

そんな中で自家塗装で一番気をつける事は何かと聞かれたら、私は「下地(木地)の磨き」と答えます
下地(木地)の仕上がりは塗装の仕上がりに重大な違いをもたらします。
「どうせ色は塗りつぶすしサンディングシーラーとか吹いて整えるから一緒でしょ」と思うかもしれませんが私はとてもそうは言えません。(整いません)

やはり塗料に対して適切な下処理があって初めて十分な仕上がりの塗装が出来ると思います。
これは、サンドペーパーの傷等の問題だけではなく、木地の形そのものの問題でも有ります。

木地の調整とは、サンドペーパーをこすりつけて木部をツルツルにする事ではないのです。
波打った木地からは波打った塗装面しか出来ません。
木地の不備は塗装面に必ず反映されると思っても良いです。
キチンと木地を調整されたボディなら、仮に缶スプレーで最低限吹いただけの塗装でも十分に美しく仕上げる事が出来ると思います。
逆に木地調整が半端だと塗装工程でどれほど頑張っても結果は知れています。
鏡面仕上げにするつもりならなおの事です。
「どうせ缶スプレーだし」と言うならなおの事です。
また、木地の出来具合は塗膜の研磨工程でも研磨ハゲ等のリスクを大きく下げます。
どう考えても、塗装工程で頑張るぐらいなら木地の段階でがんばった方が結果に結びつきやすく、効率的です。

「あとの工程で何とかなるだろ」という考えは仕上がりのレベルを下げる方向にしか働きません。
あとで何とかできる技術が有るのなら、「今」何とかすべきです。

一番設備も不要なのは…オイルフィニッシュですが…やはり同様です